介護職へ転職すると最初に教育される事柄といえば、職場内での衛生管理でしょう。介護現場で利用者が健康で快適な日常生活を過ごすためには、衛生管理面が重要な位置を占めるからです。
その一環として感染予防の基本的な知識も、介護職には求められます。介護現場では高齢者や障害者といった、心身の不自由な利用者が集団で生活するケースが一般的です。限られた空間の中で長期間一緒に過ごせば、それだけで感染のリスクは上昇します。
また日頃から疾患を抱えている利用者になると、健常者に比べて感染しやすく、身体へのダメージも大きくなることが予想されます。このような環境で1人でも感染者がいれば、たちまち集団感染へとつながってしまいます。このようなリスクを未然に防ぐことも、介護職の重要な役割です。
それと同時に感染予防を徹底することで、介護職自身のリスクも低く抑えることが可能になります。感染予防を行うにあたっては、病原体と感染経路そして易感染者という、3つの要素を理解しなければなりません。その上で、病原体を撲滅するための滅菌法や消毒法を知る必要があります。
また感染経路を遮断するためには、日常的手洗いや衛生学的手洗いの他、手袋やエプロンそしてマスクの装着を徹底することも重要です。
さらに介護職自身が易感染者にならないように、普段から抵抗力を増強する心がけも大切になります。例えば規則正しい食事や十分な睡眠時間の確保、あるいは酒や煙草を摂取しないなど、生活習慣を整える姿勢が常に求められます。